損益計算書という物語
2026/05/11
「毎月のPL、どのように読んでいますか?」
毎月、顧問の税理士事務所から届く損益計算書。
売上、原価、粗利、販管費、営業利益。並んでいる数字を上から下へなぞって、最終利益の行で「あぁ、今月もこんなものか」と一息つく。
そんな見方をされている方、決して少なくないと思います。
私自身も若い頃は、PLというのは「収益力が確認できる会社の成績表、過去の結果」だと思っていました。点数が良ければ嬉しい、悪ければ凹む。ただそれだけの紙だと。
でも、公認会計士として16年、いまは全く違う目線でPLと向き合っています。
本日はPLには何が
数字の羅列ではなく、一ヶ月の物語
PL(損益計算書)は、その一ヶ月に会社で起きたことの「物語」だと、私は考えています。
売上の行は、お客様が自社の商品やサービスにお金を払ってくれた合計です。誰がどんな理由で払ってくれたのか。先月よりも増えたのなら、それはなぜなのか。減ったのなら、何が起きたのか。
原価の行は、その売上を生むためにかけたモノやサービス自体のコスト。粗利の動きには、販売価格や仕入に関する無数の判断の結果が現れています。
販管費の行には、人を雇い、家賃を払い、広告を出し、日々事業を回すための無数の判断の結果が並んでいます。
つまりPLは、経営者が一ヶ月かけて下した判断と、それに対するお客様の反応が、まるごと数字で表現された一枚の物語のような情報なのです。
「物語として読む」とは
たとえばある月、売上が伸びていたとします。良かった、と通り過ぎる前に、なぜ伸びたのかを物語に変えてみる。
新しい広告を打った。一部の商品で値上げに踏み切った。あるいは大口取引先からの受注が一時的に増えた。複数の要素が重なって、売上の数字を押し上げた。
そう読むと、来月以降の打ち手が見えてきます。広告の効果が出たのなら継続を検討する。値上げで離れたお客様がいなかったか確認する。一時的な要因なら、それに頼らない売上の作り方を考える。
数字の向こう側に、登場人物と出来事と判断が見える。これがPLを物語として読む、ということです。
物語の読み手は、結局のところ経営者ご自身
正直に言うと、これは外部の専門家だけでは完成しません。
私たち会計の専門家は、数字の動きから「異変」や「傾向」を読み取ることはできます。でも、その背景で実際に何が起きていたかを本当に知っているのは、現場で判断を下してきた経営者ご自身です。
数字を見ながら、先月ご自身がどんな判断をしてきたか、お客様にどう接してきたか、社員と何を話してきたか。それを思い出しながらPLと照らし合わせる。すると、紙の上の数字が急に立体的に見えてきます。
私もクライアントの方とお話しするとき、PLを前にしながら「先月、何かありましたか?」と問いかけることを大事にしています。経営者ご自身の言葉を引き出しながら、数字とつないでいく。それが、私にとっての伴走の作法だと思っています。
来月の試算表が届いたら
最終利益の数字を見て一息つく前に、五分だけ時間をとってみてください。
「なぜ、この数字になったのか」。そう問いかけながら、各行をもう一度なぞってみる。
物語の主人公は、ほかでもない経営者ご自身です。数字は、その物語を語るための言語なのかもしれません。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に”財務の目線”を
中小企業のチェンジメーカー 谷口純一
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