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毎月の会計数値、何を見ればいい?目的を持って数値と向き合おう

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毎月の会計数値、何を見ればいい?財務のチェックポイントを教えます

毎月の会計数値、何を見ればいい?財務のチェックポイントを教えます

2025/06/09

経営者にとって、毎月の会計数値を確認することは会社の健康診断のようなものです。しかし、「どこを重点的に見ればいいのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。  

 

財務データを正しく分析することで、収益性の向上・資金繰りの安定化・経営の持続可能性を高めることができます。今回は、「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」を毎月見る際の重要なポイントと、月次発生主義と在庫調整ができていない場合のリスクについて解説します。  

 

「会計専門家として経営者に伴走し、日本をもっと元気にしたい。」

このブログでは、上場会社から中小零細企業まで数多くの企業経営をサポートしてきた“中小企業のチェンジメーカー”を目指す谷口純一が、自身の経験と知識を繁盛を目指す皆様のお役に立てる情報として発信していきます。

 

毎月の会計数値、何を見ればいい?財務のチェックポイントを教えます

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1. 損益計算書(PL)では「収益性」を見る

 

企業の収益構造を把握するために、損益計算書の「売上総利益」と「営業利益」に注目します。

 

 毎月の売上総利益の安定性を確認するためのポイント

毎月の売上総利益や売上総利益率がガタガタになっていないか?

- 月次発生主義が徹底されていない場合、売上と費用の計上月がズレていますので、正確な月の利益が確認できず、経営の実態を正しく把握できません。

- 在庫調整が適切に行われていない場合も毎月の売上原価が正しく計上されていないため、本来の収益性を把握できません。 

 

「今月は利益が出た」「来月は赤字になった」といった不安定な財務状況になっている会社は毎月の売上総利益がそもそも正確なのかをチェックしてみてください。

 

毎月の売上総利益が正確な場合、毎月の数字を横並びにして比較情報と合わせて毎月の数値を確認しましょう。売上総利益が増加した要因は売上高が上がったのか、売上総利益率が改善したのかという目線でチェックすると有意義な振り返りとなり、今後の売上総利益を増加させる施策の検討やその結果の効果測定ができるようになります。

 

 毎月の業利益の推移を確認するためのポイント

毎月の人件費、固定経費に変化はないか?

- 多くの会社では販管費の多くは固定費で構成されています。固定費とは人件費や賃借料、通信費や水道光熱費など売上の増減に左右されない経費のことです。この固定費は売上総利益で賄う必要がありますので、売上総利益に対して固定費負担が多いのか、最低限必要な売上総利益がいくら必要かという目線で科目ごとの通常水準や増減要因を理解するようにしましょう。

- 営業利益は本業の結果得られる利益ですので、売上総利益の分析と販管費の分析を合わせて確認することで、本業の収益力を確認することができます。

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2. 貸借対照表(BS)では「現預金の増減」と「資金繰りに関わる科目」に注目

 

利益の分析が終われば、次に貸借対照表で現預金の増減と資金繰りに関わる科目に注目します。  

 

資金繰りを安定化させるためのチェック項目

- 現預金の増減 

  - 手元資金が増えているか?減っているか、その要因は何か?  

- 現預金増減と損益計算書のギャップを理解する 

  - 営業利益がプラスなのに現金預金は減少している場合、考えられる状況は以下のとおりです。

  - 営業債権が増えているor営業債務が減少している

  - 設備投資や車両購入など損益計算書に計上されない支出項目がある

  - 借入金の返済など資金調達(財務活動)に関する損益計算書に計上されない支出項目がある

 

例えば、売掛金の回収が遅れると、売上は計上されていても資金繰りが苦しくなります。また、設備投資をした後に資金が不足するケースもあります。営業利益の水準が毎月の借入金返済より少ない場合も資金が減少傾向となる要因です。こうした問題を防ぐためには、貸借対照表の定期的なチェックが欠かせません。  

 

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### **まとめ**  

 

毎月の会計数値を確認する際は、単なる「売上」や「利益」だけを見るのではなく、以下のポイントに注目することで、経営の安定性を確保できます。  

 

事業の収益性を高めたいなら損益計算書で売上総利益を確認

資金繰りを安定させたいなら貸借対照表で現預金と資金繰り科目をチェック

売上総利益の変動を防ぐなら月次発生主義と在庫調整を徹底

 

会計数値の本当の意味を理解し、毎月の財務チェックを経営戦略につなげることで、持続可能な成長を実現しましょう!  

 

 

この度はブログを読んで頂きありがとうございました。

経営に“財務の目線”を

 

中小企業のチェンジメーカー 谷口純一

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