「キャッシュフロー計算書とは?」資金繰りを現状把握する方法
2025/06/05
「売上はあるのに資金繰りが厳しい…」「利益が出ているはずなのに、手元の現金が足りない…」そんな悩みを抱える経営者は少なくありません。資金不足を解決するためには、単に売上や利益を見るだけでなく、キャッシュフロー計算書を活用し、資金の流れを正しく把握することが重要です。本記事では、資金不足の理由を見つけ、経営改善につなげる方法を解説します。
「会計専門家として経営者に伴走し、日本をもっと元気にしたい。」
このブログでは、上場会社から中小零細企業まで数多くの企業経営をサポートしてきた“中小企業のチェンジメーカー”を目指す谷口純一が、自身の経験と知識を繁盛を目指す皆様のお役に立てる情報として発信していきます。
「キャッシュフロー計算書とは?」資金繰りを現状把握する方法
---
1. 現状把握:キャッシュフロー計算書の基本を理解する
これまで月次発生主義会計や在庫調整など、損益計算書が経営状況を正しく表現し、損益構造が理解しやすい知識についてみなさんに発信してきましたが、企業の収益性を正しく表現すればするほど実際の資金の流れと損益計算には入出金タイミングによるズレが生じてきます。これがいわゆる黒字倒産(利益が出ているが資金ショートしてしまう)が起こる理由です。
事業にとってお金は本当に大事です。利益が出るビジネスモデルでも資金が尽きてしまえば本末転倒となってしまいます。。
また、借入金の返済や設備投資の未払金の返済は損益計算書では費用として計上されないため、利益が出ていても損益計算書に反映されない企業の支出が考慮出来ていなければ資金の減少傾向が止まらず知らず知らずのうちに借入金が雪だるま式に膨らんでいる会社も珍しくありません。
資金不足の原因を特定するためには、キャッシュフロー計算書を正しく読み解くことが必要です。
キャッシュフロー計算書は、損益計算書を入出金ベースに調整した財務諸表のひとつであり、企業の資金の動きを 「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つの区分で示しています。
上場企業や大企業で作成が義務付けられています。だから中小企業の経営者にとっては馴染みのない方も多いんです。
キャッシュフローの分類
1. 営業キャッシュフロー(事業活動から得られる現金の流れ)
2. 投資キャッシュフロー(設備投資や資産の購入・売却に関する現金の流れ)
3. 財務キャッシュフロー(融資や借入返済、配当支払いに関する現金の流れ)
「資金が足りない…」と感じたときは、まず 営業キャッシュフローが投資活動と資金活動をまかなえているかを確認することが重要です。営業キャッシュフローがプラスでも、投資や返済に現金を使いすぎていれば、資金不足に陥る可能性があります。 これは言葉にすると当たり前なのですが
また、税金が増えたから営業キャッシュフローが悪化したと考えるのは間違いです。税金の増加は、利益が出ていることの証拠であり、企業が健全に成長している結果ともいえます。資金繰りの問題は税負担ではなく、キャッシュフローの管理不足や、投資・財務活動のバランスの悪さに原因があるケースが多いのです。
---
2. 会社のお金の原資は営業利益であることを認識する
会社の資金繰りを改善するためには、会社のお金の原資は営業利益であることを意識する必要があります。営業利益とは、売上高から売上原価や営業費用を差し引いた「本業の利益」のことです。
売上が伸びていても、営業利益が低ければ、十分なキャッシュフローを生み出すことはできません。例えば、過剰な値引きや販促費の増加により営業利益が圧迫されている場合、資金不足の原因になります。
営業利益を確保しながら、適切なコスト管理を行うことで、健全なキャッシュフローを維持することができます。
---
3. 在庫や売掛金の管理を見直す
資金不足を解消するためには、在庫や売掛金の管理を徹底する ことが重要です。特に、売上が上がっていても資金が不足する場合、在庫や売掛金が資金を圧迫している可能性があります。
改善策
- 在庫調整を行い、過剰な資産を減らす→ 在庫が増えすぎると、キャッシュが固定化されるため、資金繰りが悪化します。適切な在庫管理を行い、売上と在庫のバランスを整えることが重要です。
- 売掛金の回収サイクルを短縮する → 顧客からの入金が遅れると、手元の資金が不足します。請求書の発行を早める、売掛金回収の仕組みを強化するなどの対策を取ることで、資金繰りを改善できます。
---
まとめ
資金不足を打破するためには、キャッシュフロー計算書を活用して現状把握を行い、営業キャッシュフローが投資活動と資金活動をまかなえているかを確認することが重要です。また、会社のお金の原資は営業利益** であることを認識し、適切なコスト管理を行うことで、安定した資金運用が可能になります。さらに、在庫調整や売掛金管理を徹底することで、資金繰りの改善につなげる ことができます。
そして、税金が増えたから営業キャッシュフローが悪化したと考えるのは間違い です。税負担の増加は企業の成長を示しているため、キャッシュフローの本質的な問題を分析し、適切な対策を取ることが重要です。
決算書の数字だけでなく、キャッシュフローの動きを把握しながら、経営の安定化を目指していきましょう!
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
中小企業のチェンジメーカー 谷口純一
----------------------------------------------------------------------
BanSol 谷口純一公認会計士事務所
住所 : 京都府京都市伏見区深草北蓮池町908
電話番号 : 090-6961-0008
京都市で事業計画作成を支援
京都市で企業様の経営改善を支援
京都市で経営改善をサポート
京都市で企業様の成長支援に尽力
----------------------------------------------------------------------