黒字なのに資金が不足する…利益とキャッシュフローの違いを理解する
2025/05/22
「会計専門家として経営者に伴走し、日本をもっと元気にしたい。」
このブログでは、上場会社から中小零細企業まで数多くの企業経営をサポートしてきた“中小企業のチェンジメーカー”を目指す谷口純一が、自身の経験と知識を繁盛を目指す皆様のお役に立てる情報として発信していきます。
黒字なのに資金が不足する…利益とキャッシュフローの違いを理解する
「決算上は黒字なのに、なぜか資金繰りが厳しい…」そんな悩みを持つ経営者は少なくありません。利益が出ているはずなのに資金が不足する背景には、いくつかの会計的な要因があります。その中でも見落とされがちなのが、**「借入金の返済による資金流出」** です。本記事では、利益と現金の違いを理解し、資金不足の原因を把握することで、健全な経営を実現する方法について解説します。
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1. 利益とキャッシュフローの違いを知る
会計上の「利益」と実際の「現金」は、必ずしも一致するわけではありません。黒字でも資金不足に陥る原因の代表例として、以下のようなケースが考えられます。
① 売掛金の回収タイミングと買掛金の支払いタイミング
売上は計上されているものの、顧客からの入金が遅れることで、資金繰りが悪化するケースです。「請求を出しているのに、現金が入ってこない…」という状況が続くと、経営の安定性が揺らぎます。
逆に前月末の買掛金や手形期日がある月に集中すると資金繰りが悪化する要因になります。
② 設備投資や在庫増加
黒字企業ほど、設備投資や在庫拡充に資金を使うことがあります。しかし、これらはすぐに現金化できるわけではなく、一時的にキャッシュフローを圧迫します。
③ 借入金の返済による資金流出
企業の資金繰りにおいて特に影響が大きいのが、借入金の返済です。例えば、銀行融資を受けて設備投資を行い、利益は増えたものの、毎月の返済額が大きく、返済原資をまかなえない場合、手元資金が減少してしまうケースがあります。借入金の返済は損益計算書上の費用にはなりませんが、実際のキャッシュアウト(資金流出)になるため、資金不足の要因となります。
利益のみに着目していると陥りやすい典型的なケースです。
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2. 資金繰りを改善する方法
資金不足を防ぐためには、キャッシュフロー管理を徹底し、資金の流れを最適化することが重要です。
① 売掛金の回収を早める(または買掛金の支払いサイトを長くする)
- 請求書の発行を早め、入金サイトを短縮する。
- 回収条件の交渉を行い、支払いサイクルを改善する。
- ファクタリングを活用し、売掛金を早期に現金化する。
② 借入金の返済計画を見直す
- 返済スケジュールを長期化し、毎月の返済額を軽減する。
- 金利の低い融資に借り換え、利息負担を軽減する。
- 資金調達の選択肢を広げ、キャッシュフローを安定させる。
③ 在庫管理を最適化する
- 需要予測を活用し、過剰な在庫を減らす。
- 在庫の回転率を高め、資金の流動性を確保する。
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まとめ
黒字企業でも資金不足に陥る要因は、売掛金の回収遅れや設備投資だけでなく、**借入金の返済による資金流出** も大きな影響を与えます。利益だけを見て経営判断をするのではなく、キャッシュフローの管理を徹底することで、資金繰りを安定させることができます。資金の流れを可視化し、実際の現金の動きを把握しながら、筋肉質な会社を目指し健全な経営を目指しましょう。
この度はブログを読んで頂きありがとうございました。
経営に“財務の目線”を
中小企業のチェンジメーカー 谷口純一
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